専門知識コラム
2020年02月01日

石材外壁の洗浄方法とは?大理石や御影石などの石材を綺麗にする方法や注意点などを解説

石材外壁の洗浄方法とは?

「石材」は、建物の外壁として人気が高いものです。天然大理石や御影石など、多くの石材がありますが、こうした石材による外壁施工を行う際に重視されるのは、やはり頑強性と高級感でしょう。高級マンションなどでは床材も大理石という場合も少なくありません。しかし見栄えがよい反面、汚れが目立つのも石材の特徴です。今回は、そんな石材の外壁洗浄の方法や、注意点などをご紹介します。

「石材」の特徴とは?

外壁や床材において石材を用いる場合、石材と一口にいっても、その種類は多く、それぞれに特徴があります。石材には大きく分けて3種類、「火成岩」「堆積岩」「変成岩」があります。

「火成岩」は、いわゆる御影石が代表的な石材として知られています。そのほかに、鉄平石や稲田石などがあります。「堆積岩」は特に種類が豊富で、ライムストーンや日の出石、青葉石、那智黒石などがあります。「変成岩」の代表的なものはいわゆる大理石で、そのほかにも蛇紋や凍石などがあります。

こうした石材が用いられるのは、見た目の高級感だけではなく、その頑丈さが挙げられます。特に耐火性、耐久性が高いことが知られています。しかし耐火性の度合いは石の種類によって異なり、たとえば大理石の場合は比較的火には弱いといえます。

砂岩や凝灰岩の場合は吸水率が高いことで知られています。吸水率は極端に温度が下がると、凍結により石そのものを傷つけるなどデメリットもありますが、逆にモルタルとの相性がよく接着しやすいなどのメリットもあります。

石材ならではの汚れや劣化とは?

石材は、天然素材が多くその頑強性がメリットとなりますが、逆に石材ならではの汚れや劣化が起こることでも知られています。

光沢が失われる

石材の魅力として知られている特徴として、特に天然石を中心に、「磨き抜かれた石材の光沢感」があります。これが高級感とともに清潔感をも演出し、石材を用いる最大のメリットともいえる見栄えのよさを引き立てます。しかし、こうした天然石の特徴である光沢は、経年とともに劣化していきます。

特に大理石の場合は、硬度が比較的柔らかい(人間の爪より少々硬い程度)ので、硬い靴で床を歩いたり、土足で歩いたりするとすぐに磨耗してしまい、光沢が失われて曇った感じになってしまいます。

シミや汚れが吸着してしまう

石材は一般的に頑丈と考えられているので、シミや汚れも吸着しにくいと思われています。しかし実際は、石材でもシミや汚れは容易に浸透してしまいます。食べこぼしなどのシミが内部に浸透してしまい、水道水の微量の塩素でも酸化が進みくすんだ感じになってしまうこともしばしばです。

長期的に見れば非常に耐久性は高いのですが、石材によっては表面がすぐに劣化してしまうなどの弱点も多くあるのが石材の特徴です。

石材ならではのメンテナンス方法とは?

このような特徴を持つ石材ですが、ほかの素材には必要のない石材ならではのメンテナンス方法もいくつかありますので、以下に見ていきましょう。

定期的なワックスがけが必要

石材ならではのメンテナンスとして必要になってくるのが、定期的なワックスがけです。石材は先ほども挙げたような意外な脆弱性、特に表面のくすみや汚れといったことに対する弱さが顕著ですので、定期的にワックスがけを行って表面を保護する必要があります。

ただしこのワックスがけもよし悪しで、ワックスによって表面を保護したつもりでも、ワックスを経由しても汚れが石材に浸透しやすいという思わぬ問題が存在します。汚れを含んだワックスで磨いてしまうことで、黒く変色したワックスが浸透してしまい、光沢感を全体的に失わせてしまうデメリットもあるのです。

また、ワックスがけの際に必要なハクリ作業も石材を劣化させる要因となってしまいます。ハクリ作業に使用する「パット」が表面を荒らしてしまうことで、光沢を更に失わせてしまうという逆効果もあるのです。また、化学モップを何の保護もない状態で使用することで、薬品が浸透して光沢を失わせてしまうといった問題もあります。

定期的な石材研磨が必要

先程も触れた通り、石材の魅力はなんといってもその光沢感です。またその光沢は、石材によっては容易に失われてしまうものであることも理解いただいたことでしょう。そうした石材の光沢を長期的に保つためには、定期的な石材研磨が必要になります。

特に凹凸がある石材の場合は、定期的に洗浄する際にも奥まったところに汚れが入ってしまう場合があり、そうなってしまうとそのままではなかなか汚れが取れません。そうした汚れを取るという目的においても、表面を磨くことは大切な作業となります。

石材の洗浄の際の注意点とは?

以上のように、石材は頑丈で強そうに見えて意外とデリケートな素材です。そのためトラブルも多く起きやすい素材となっています。石材の洗浄の際の注意点もいくつかありますので、以下に見ていきましょう。

酸性洗浄剤は素材を傷める場合がある

石材の汚れは、内部に浸透してしまっている場合も少なくないため、比較的効果の強い酸性洗浄剤が用いられる場合が多いといえます。そうした酸性洗浄剤が逆に酸化を招き、素材そのものを傷めてしまう場合があります。しかし、適切な手順を踏むことで、こうした劣化を防ぐこともできます。プロの業者はその辺りを把握していて、素材ごとの効果的な洗浄方法を適宜提案してくれます。

シミ抜きはしっかりと原因究明をしておこう

石材の意外な弱点として、シミがすぐについてしまい、取れなくなるというものがあります。

シミ抜きにおいて一般的にはアルカリ性の洗浄剤が用いられますが、まずは何が原因になってついたシミなのかを把握しておく必要があります。なぜかというと、植物性の油や鉱物性の油など細かく洗浄剤を使い分けて対処して行く必要があるからです。

専門の業者に石材洗浄を依頼すれば、石材ごとに適した方法や洗浄剤を選び、シミ抜きもしっかり行ってくれますが、原因がはっきりしていないシミの場合、適宜洗浄剤を使い分けてしらみ潰し的に対処していくことになってしまいます。

これでは業者が豊富な洗浄剤を備えているとはいっても効率が悪いといえます。まずは機械油なのか、エンジンオイルなのか、はたまた嘔吐なのか、シミの原因が判明していると、業者に頼む際もスムーズに対応してもらえます。

まとめ

以上、石材の特徴とそのメリット・デメリットを見渡しながら、必要となる洗浄方法や洗浄の際の注意点などを一通り解説しました。石材は高級感と光沢感が非常に魅力的ですが、同時にトラブルが多い素材であるということをしっかり理解しておきましょう。そして、石材の洗浄にはこうした石材の特性を細かく理解している必要があるので、無理をせずプロに依頼するのがベストです。

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