専門知識コラム
2020年08月31日

エンベロープ型ウイルスとは?新型コロナも含まれるエンベロープ型の特徴や危険性、予防策を解説!

エンベロープ型ウイルスとは?新型コロナも含まれるエンベロープ型の特徴や危険性、予防策を解説!

新型コロナウイルスは、今年に入ってから世界中で猛威をふるっています。日本でも全国で緊急事態宣言が発令されるなど、大きな影響を与えているこの新種のウイルスは、ヘルペスやインフルエンザウイルスなどと同じく「エンベロープ型」のウイルスです。

そこで今回は、より適した対策をとっていくために、エンベロープ型ウイルスの特徴や有効な予防策について解説していきます。

新型コロナウイルスは「エンベロープ型ウイルス」

初夏にはいったん落ちついたかにみえた新型コロナウイルスですが、7月に入ってから再拡大が連日続いています。東京や大阪などの大都市では、感染者数・すなわちPCR検査陽性者数が、日々最大数を更新し続けている状況です。

こうした危機的状況が再度訪れているなかで重要なのは、このウイルスがどういったものであるかを知ることです。

ウイルスは、病気を引き起こす原因となります。既存のものではインフルエンザを引き起こすインフルエンザウイルスや、激しい嘔吐や下痢を起こすノロウイルスなど、さまざまなものがあります。

これらのウイルスには「型」というものがあり、この型をまず知ることが大切です。なぜならワクチンや治療薬のない現状で、最適な予防策を立てていくうえで重要な情報となるからです。

ウイルスの型は、「エンベロープ型」と「ノン・エンベロープ型」の2種類にわかれており、新型コロナウイルスは前者に属しています。

「エンベロープ」とはそもそも何か?

エンベロープとは、ウイルスの外側を覆う脂質性の膜のことです。

本来エンベロープというものは、人など生物がもつ細胞を覆う細胞膜や核膜といったものを指します。しかしウイルスはもともと自身では細胞をもたず、感染者の細胞に感染し、感染者の細胞を利用して次々と増殖していく性質をもっています。そのため、エンベロープ型ウイルスは、一度感染した細胞から別の細胞へ移り行く際に、感染先の細胞がもっていた細胞膜や核膜などの生体膜を纏った状態で飛び出していくのです。

つまり、もともとエンベロープをもっているものではなく、感染を拡大させていくなかで、感染者の細胞からエンベロープを獲得していきます。

こうしたエンベロープ型ウイルスは、新型コロナウイルスだけでなく、すでにワクチンが存在する既存のウイルスの一部にもあります。たとえば毎年のように感染者・死亡者を出すインフルエンザウイルスや、新型コロナと同じコロナウイルスに属するSARS・MERSウイルスや風疹ウイルス、天然痘ウイルスなどです。

ちなみにさきほどウイルスの例としてあげたノロウイルスは、エンベロープをもたない「ノン・エンベロープ型」の代表例です。

エンベロープ型ウイルスによる感染拡大の仕組みとは?

それではなぜ、こうしたウイルスは膜を纏うのでしょうか。

エンベロープ型ウイルスは、新たに感染する細胞の細胞膜と、すでにもっているエンベロープを融合させ、ウイルスがもっている遺伝子やたんぱく質などを感染する細胞へと送り込めるようになります。エンベロープ型ウイルスは、このように感染細胞を次々と増やしていくウイルスなのです。

また感染者の細胞から得られた膜を「エンベロープたんぱく質」として自らの一部とすることで、別の細胞との結合がしやすくなったり、免疫機能による攻撃を回避したりするなど、より生存・増殖に有利な策を講じられるようになります。

私たちが感染するリスクのあるウイルスは、基本的に感染者から新たに移っていきます。感染できる状態にあるエンベロープ型ウイルスは、すでにエンベロープという膜をもった状態で拡散していくのです。

エンベロープ型ウイルスにはアルコール消毒が非常に有効

エンベロープというのはさきほども少し触れた通り、脂質性の二重膜として存在しています。ウイルスはこの膜を自身の身体に纏い、自らのたんぱく質にしてしまうのです。膜を自分のものにすることにより、効率的に生存・増殖していく反面、このエンベロープが自らの弱点になっています。

脂質であるエンベロープは、アルコールによって破壊されます。つまり、アルコールによって膜が溶けてしまうのです。

新型コロナウイルス感染症対策として、あらゆる施設や店舗に消毒液が常備されるようになったのは、これが大きな理由です。また手洗いに使う石鹸や、油汚れを落とす界面活性剤なども、エンベロープ型ウイルスを死滅させる効果があります。

そのほかにも無光触媒コーティングに用いられる、「次亜塩素酸水」や「安定化二酸化塩素」など、天然由来の洗浄剤もエンベロープ型ウイルスの死滅には大きな効果を発揮できます。

まとめ

今回はエンベロープ型ウイルスの特徴や感染の仕組み、有効な予防策について解説しました。とくに新型コロナによる騒動で一気に浸透したアルコール消毒は、コロナだけではなくエンベロープ型ウイルス全体に効果がある方法です。そのため、インフルエンザ対策としても有効です。

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